「試合前の食事では脂質を控える」ということは、すでにアスリートには常識になっています。縁起を担いで「とんかつ」を食べるという会話も、ほぼ聞かなくなりました。

ただ、脂身の少ない部位を使ったり、炒め油を使わなかったりすると、料理がパサついて食べにくくなることがあります。また、脂の独特の甘みのようなものに慣れている選手にとっては、脂質を控えた料理は物足りなさを感じるようです。

今回紹介する「ローストポークのアスパラ添え」は、脂質控えめのメニューですが、はちみつを使ってパサつき感をなくしています。試合前にもおすすめです。

豚肉には、練習時はもちろん、試合でもしっかりとっておきたいビタミンB1が豊富に含まれています。ビタミンB1は糖質をエネルギーにする際に必要なビタミンです。このメニューではショウガを使っているので、吸収がアップします。

このメニューでは、アスパラガスを添えています。アスパラガスには、エネルギー代謝などに関わるアミノ酸であるアスパラギン酸を含んでいます。

最近は「筋肉ブーム」ということもあり、野菜ではタンパク質の代謝に関与するビタミンB6の多いブロッコリーが人気です。トップアスリートのチームのレストランでもサラダはブロッコリーが大人気で、毎回、食事時間が遅い選手の分が足りなくなるのではと思うほどですが、試合前など、エネルギーが気になる場合はアスパラガスを摂りましょう! ぜひ覚えておいてくださいね。

管理栄養士・川端理香